日本語で「犠牲祭」と訳されるイスラームの祭礼「イードアルアドハー」が昨日(2020年7月30日)から始まりました。
「羊飼いイブラヒームがアッラーの命じる通りに息子をいけにえとして捧げようとしたところ、アッラーはその信仰の深さを知り、息子の代わりに羊を差し出させた」というイスラームの聖典クルアーンに基づく祭礼とされており、この時期は、羊マーケットが開かれ、羊を買い求める人であふれます(今年はCOVID-19の影響で様子が変わっているものと思われます)。
「犠牲祭」「いけにえ」という言葉を聞くと、なんとなく物騒なイメージを持たれるかもしれませんが、この時期は、「イードおめでとう」「この1年もあなた方が幸せでありますように!」といった挨拶を交わし、家族はもちろん、親類や貧しい人にも食べ物を分け与える期間でもあります。家庭で羊の丸焼きを作ることも多く、恵まれない方にもふるまわれるのが一般的です。
私も独りでアラブ圏で暮らしていた時は、多くのご家族からお食事にお誘いいただいたのを思い出します。人を思いやる期間と言っても良いのかもしれません。
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